平行する想いが交差する時 |
(Saido:)
頭の良い幼馴染みを持つと苦労するとゆう
また…その逆も然りと言うが…
ちなみに疎遠になっている幼馴染みに関してはt…
関係のない話であろうが…
近からず、遠からず…曖昧な距離の幼馴染みな関係の場合は…
有る意味結構面倒なものなのかもしれない
ザワメク廊下。
放課後特有の少しばかり浮き足だった雰囲気が漂っている。
そんな賑わいだ時間。
少しばかり素行の悪い生徒なら、立ち寄るのも遠慮しがたい職員室は珍しく少し騒がしいものだった。
それには少し理由が有る。
何処にでも居そうな教師とこれまた何処にでも居そうな女子生徒。
素行もけして悪そうにも見えないが、なにやらお呼び出しが有ったのだろうか…女子生徒の方は神妙な面持ちで教師を見ている。
そんな緊迫が走るはずの両者の間には、不思議と緊迫感の欠片も見いだせない。
その良い例のように教師が、突然悲痛な叫びを女子生徒に向けて叫んだ。
「〜っ。何故だ!」
「何故と言われましても…。私も何故だろう?と思うところなので…何とも言い難いんですけど…」
と呼ばれた少女は苦笑を浮かべて、教師にそう返した。
教師もの言葉に“うっ”と言葉を詰まらせる。
(そうだよな〜分かっていたら、何とかなっているだろうしな〜この子は…)
詰まらせた言葉の最中、教師はそうに思ったのでった。
そして教師として、平静さが足りなかった現状に気が付き…少し苦笑を漏らした。
頬を軽く掻きながら、気を取り直すように…軽く深呼吸をして教師はを見る。
「まぁ〜な…。、お前ってちゃんと真面目に授業受けているもんな…他の教科は…まぁ…数学もかなり危険な点数だが…ソレ以外の教科は平均ないし…平均以上だしな…。頭が悪いの一言で片付けられるって訳にもいかんしな…」
実は彼女は…俗に言う赤点だという点数をとっても、このは通信簿に1が付かず…補習を受けたことがない。
それは、偏に彼女…の人柄の御陰だろう。
もしこれが他の生徒…。
例えば、桃城や菊丸辺りだったなら…。
確実に補習漬けに、教師の長い説教…部活の先輩やクラスメートにチクチクと嫌味を言われたりと…地獄のフルコースが展開されるに違いない。
でも彼女は、テニス部でもなければ…授業も比較的真面目に受けているし、先生受けも良かったりするので、通常の常識とは少し異なった待遇が有ったりするわけだ。
兎も角そんな有る意味有名なは、この英語教師の悩みの種でも有り…今時珍しい良き生徒でも有る。
てな訳で、教師は出来ることならの成績向上に一役買ってやりたいと思っているのだが…実際はそう簡単にいかないのだ。
その所為だろうか…教師は知らず知らずの内に溜息を漏らしながら、の目見返してからフッと視線を外し…小さくまた溜息を吐く。
「それにしたってな。あの解答は流石に不味かったな」
「そうですか?私は至極真面目に書いたつもりなんですけど」
「それは分かってるぞ。まぁ部分の訳は有ってるから…真面目にお前が書いたのは分かるんだが…でもなぁ〜ありゃー不味かったな」
をまぁまぁと手で制止ながらも、教師は溜息混じりにそう口にした。
会話にも出てくる、あの解答と言うのは…。
英語ヒアリングテストでのの解答が、近いそうで…遠い変な訳が書かれていた事の事を教師は言っているのだ。
別に訳が間違っていると言うのは的にも日常茶飯事なので、教師も気にとめないないのだが…今回のの書いた訳が…教師の笑いのツボに入ってしまったのだ。
答えを採点していた教師は、涙目になりながら笑いを堪えながらの答案に赤ペンを走らせたと言う逸話が広がり…。
その所為かの武勇伝(?)は、教科に関係なく様々な教師達にもその名を知られると言う。
まったくもって、プライバシーの侵害も甚だしいかぎりの話である。
その所為では、担当教諭にお呼びだしされるという状態に相成ったのだ。
お互い、英語の解答のことを思い出し…何とも言えない表情を浮かべる。
「数学が苦手なのは分からないでも無いぞ。実も所、俺もあんまり好きでは無いからな…」
言葉を一旦切って、教師がを見る。
「はぁ」
は相変わらず何とも言い難いといった表情をして、熱く語りかける教師に曖昧に頷き返しながら、は教師の言葉を待った。
教師は回転椅子の背もたれにだらしなく背を預けながら、言葉を紡ぐ。
「だが…何故に英語なんだ?のタイプから言って…お前さん文化系だろうに…」
教師の一般的な言葉に、はヤレヤレと軽く肩を竦める。
「しいて言えば、どうやって勉強して良いのか分からないと言うか…。掴めないって言うか…」
ポリポリと頬を2〜3度掻きながら、は教師にそう返した。
「他の教科と同じ勉強法で、さしあたって問題ないだろう…と俺は思うが…。あえて言うなら…一番近いのは国語じゃないのかな…文法的にもさ」
「私も一応そう思って、国語の勉強法でやったんですけどね…」
最後の言葉を歯切れ悪そうに言葉を濁す。
だが、言葉を繋げるべく口を動かし始めた。
「その…結果が…コレって感じなんですよね」
乾いた笑いを浮かべては、先程話題に出てきた答案用紙を指で示した。
教師も追うようにしての答案を目で確認すると、重い溜息を吐くのであった。
結局良い案も浮かばず、虚しく時間だけが過ぎてゆく。
それに伴い何とも言えない嫌な空気が両者の間に流れ始める。
打開策は見あたらず…暗礁に乗り上げるか?そんな時だった…。
「」
不意に黙っていた教師が真剣な声音でを呼んだ。
「はい?何ですか」
も真面目な声音で教師に応える。
「俺は良いことを思いついたぞ」
やけに自信満々の教師の口調に、は少しばかりの不安を覚えた。
(何か…凄く嫌な予感がするんだけど…)
実に対照的な二人である。
心の不安を抱えつつ、教師の次の言葉をは黙ってまった。
教師はが不安がってる何て露とも思っていないのか、実に明るい表情だった。
「乾に頼もう。彼奴なら、お前の英語の克服法をレクチャーしてくれるに違い無いぞ」
ウンウンと一人勝手に納得気味に、教師はに断言した。
更に…かなり満足気味で乾紹介を始めたのだった。
「乾は分かるよな?俺のクラスの生徒で…テニス部でな。頭が実に切れるぞ」
“い〜やコレで一安心だな”と本当に心底嬉しそうに言った。
それにははもはや呆れるしか無かったが、気乗りがしないために断りの文句を口にする。
「ちなみに乾君の事は知ってますけど…。勉強教えて貰う何て、流石に迷惑になるんじゃ無いんですかね」
は全然気乗りがしないので、声の調子もかなり平坦で…抑揚もない。
見るからに遠慮被りたいと言った感じなのだが、教師はの態度をただの遠慮だと思いこんでるらしく「遠慮か?気にするな、俺から言っておくし…安心しろよ」とかなり強気な言葉をて返してきた。
(何処をどう考えたら、迷惑じゃないと言い切れるんだろう?)
教師のゴーイングマイウェーぶりには、心の中でボヤクしかなく…この状況をどう打破すれば良いか必死に頭を回転させてた。
だが、ヤンワリとした答えが良いのが見つからず…は小さく唸る。
(仕方がない…コレはハッキリ先生に言った方が理解してくれそうだし…言うか)
そう決めると、は教師に言うべく言葉を紡いだ。
「じゃー…ハッキリ言うことにします」
溜息一つ吐きはボソリと教師にそう宣言した。
そして、言葉の続きを紡ぎ出す。
「乾君に頼むぐらいなら…私は赤点で結構です。補習三昧で構いませんし、この学校に居れない無いなら…公立に移ります。第一、先生の理論で言うところ…乾君は理系なので、意味無いと思います」
キッパリハッキリ…迷いなど無くは教師に言い切った。
教師はからそんな言葉が飛び出すとも思っていなかったのか、かなり唖然とした表情でを見た。
「そんなに毛嫌いする事無いだろう」
話題に上った乾に同情の色を濃くしながら教師はにそう返す。
はその答えに軽く眉を歪ませた。
「別にゴキブリの様に毛嫌いしている訳じゃないんですけどね…」
のゴキブリ発言を聞いた教師は、自分のクラスの生徒でも有る乾が…一体に何をしたのだろうと言う疑問で一杯になっていた。
「ゴキブリって…。お前…何でまた乾が嫌なんだ?」
「別に乾君の人となりが嫌いじゃ無いんですよ。でも…私科学部でしょ…まぁ本当は生物部に入りたかったんですけどね。…此処は科学部で生物、物理、化学が一括りにされてるし…。んでもって私生物以外は、平均並みにしか出来ないのに…それに比べて、乾君はテニス部のクセに科学が抜きん出て得意で…んでもって同じ2年生で…比べれるわ何やかんやで、風当たり厳しい目に遭遇すれば、誰だって苦手になりませんか?」
ノンブレスでは乾に対する恨み言を交えながら教師にそう言い切った。
教師はそんなを見ながらも、困ったような表情を浮かべながら口を開く。
「だからってな〜、適任だと思うぞ」
尚も教師はにそう言った。
はその言葉に、今にも首がちぎれんばかりにブンブンと首を横に振る。
そして、悲痛な表情では教師を見たのであった。
「そんな死にそうな顔をせんでも…」
あまりの悲痛な表情に教師は溜息混じりに言葉を漏らす。
の悲痛すぎる表情に教師は、思わずココに居ない毛嫌いされてる乾を思い浮かべながらそう返した。
(そんなに毛嫌いされるほど乾は、悪いヤツでは無いと思うのだがな〜)
ぼんやりと思考を巡らせながら、教師はの次の出方を待った。
するとは地を這うような声を出して言葉を紡いだのだった。
「奴に頼むくらいなら…」
「頼むくらいなら?」
ゴクリと教師は息を飲みに聞き返した。
もまた軽く間を置いて言葉を紡いだ。
「紐無しバンジージャンプとか…怖い兄さん方にコンクリート漬けにされて東京湾に沈めれるとか…悟りを開く旅に出た方がましです」
至極真面目な顔で、は言い切った。
場は凍り付いた様に静まりかえる。
何というか、嫌な空気が辺りに吹きまくっているような感じだ。
無論教師はの言葉に黙るしか道は無く…本当に嫌な空気が流れていた。
だが教師もまた…腐っても教師な訳で、生徒で有るに返すべく口を開く。
「…“悟りを開く旅”以外は…確実に“生命の危険レベル大”…寧ろ“自殺か殺害”されてる気がするぞ…。先生耳悪く成っちゃったかな?」
“ハハハハハ”と乾いた笑顔で教師は遠い目をしながらにそう返したのであった。
そんな教師を冷めた目で見かえした。
「先生…現実逃避をしたいのは、私の方じゃ無いですか〜!!あっ…ちなみに先程の言葉は、聞き間違いでも無く、気のせいでも無く、言葉通りで間違い有りませんよ」
言葉に幾分の棘を含ませながら、は教師にそう言った。
「〜っ…先生が悪かった。そんなに英語で自分を追いつめていたいたなんて…先生は…先生は知らなかったんだ〜ぁぁぁぁぁ」
教師は悲痛な叫び声を上げ、は無表情のまま教師を見返す。
そんなかなり、非日常的な光景が…と教師の半径数メートル内で巻き起こっていた。
その様子に周りに居た教師陣も何事かと、と英語教師を遠巻きに眺めている。
Next→NO2
2004.2.16.From:Koumi Sunohara
★中書き&言い訳★ 連載終っていないのに…連載をスタートさせてしまいました…。 大石も…周防さんも終ってないのに…。 それでも長い時間かけて温めていた話しでしたので、連載に踏み切りました。 何ぶん手塚不足なもので、こうでもして士気を高めねば気分的に滅入ってしまうって言うのが大きいのですけど。 兎も角お話は…三話完結を目標にしてますが…増える可能性が大です。 更新が遅くても、気長におつき合い頂けると幸いです。 次回は手塚編を予定しております。 読んで下さり有り難う御座いました。 |
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