憎らしいほど照り付ける太陽




うだる様な暑さ。陽射しは嫌味な様にサンサンと輝く。
肌に刺さる日の光りは、本当にピリピリ刺さる様に思う。
それに吹く風は、アスファルトの焼けた臭いと共に、熱風を肌に感じさせた。

(車のボンネットで目玉焼きが作れそうだわ…。と言うか肌火傷しそうって思うのは私だけ?)

余りの陽射しの強さに、私は溜め息一つと共に、ふとそんな事を思った。

(まぁ…夏に氷点下とかじゃ無いだけましなんだろうけどさ…夏なんだしね…)

黙っていても汗が吹き出すこの状況に、夏だと改めて実感する。
年々温暖化うんぬんで、暑くなる今日この頃。
便利になったツケだから、人間の私達は我慢せねばならないのだけど、暑いもんは暑い。

こんな季節に外で運動をする人に私は拍手を贈りたい。私が外で運動をするなんて自殺行為に等しい。
数分も経たない内に熱中症で倒れるのがオチである。実際問題笑えない。

だから世の中のアスリートや青春を満喫している少年少女達はすごいと思う。
バイトと学校生活を黙々とこなす、現代っ子である私には遠い世界だ。

と言いながら、実の弟である切原家の長男愚弟の赤也はテニス小僧が居るのだけどね。姉の私とは大違い。

(赤也や真田少年達達はこの暑い中で青春を満喫してるんだろな〜)

しみじみ思えば、不意に部活から帰って来た時に言っていた弟の言葉を思い出す。

「何とかブートキャンプと対張るスよ。軍隊かよって言いたくなったス」

と赤也は言っていたけど、内容は兎も角真夏の炎天下での部活は厳しいのは想像しやすい。
まったくもってご苦労様だ。
此処で、私も弟達と混じって運動したなら…数キロ減も夢じゃ無いだろう。

けれど、この暑さに動く気すら起きない私には不可能である。
と言うより、これから外に行くなんてまず無理だ。

(脳内議会をやったなら、賛成多数で議決可決間違いなし)

一人勝手に納得して、ソファーに身を埋める。
そしてリビングのテーブルの包みに目を向ける。

ソレは、愚弟コト…赤也の忘れたお弁当。
所在なさげにちょこんと存在する…食料である。

(そろそろ持っていくか…腹に収めるか…冷蔵庫に入れないと痛むな…)

ぼんやりそんな思いを浮かべるが、窓の外の灼熱ぶりに私はすぐに外に出ることを却下した。

(やっぱり無理。すまない弟よコンビニ弁当を食べてくれ)

心の中で赤也に謝って、私は重い腰を上げて弁当を冷蔵庫に入れたのだ。
弟の文句を右から左に聞き流しながら。

おわし

2007.7.4.From:Koumi Sunohara


★後書き+言い訳★
夏に関する5お題より。テニプリ赤也姉シリーズです。
管理人の住む地は北国ですので、さほど灼熱になりませんが…。
関東は遊びに行っても実に暑い。
30度超えはざらですよね。
そんな事で、生まれた話です。
本当にこんなに暑いかは分かりませんが、楽しんでいただけたなら幸いです。


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