団欒的クリスマス
華やかなイルミネーションの海
赤と緑のクリスマスカラーに彩られる町並み
大抵の人間は心ウキウキとクリスマスを待っている
恋人と過ごす…
友達と…仲間と…
はたまた家族と…
楽しく過ごすクリスマスを…
最近クラスでも、街並みでもクリスマス色が強くなっている今日この頃。
菊丸英二はクリスマス特集の雑誌を見ながら、彼女とのんびりとした休日を過ごしていた。
「クリスマスを楽しむ為に必要な事って何だと思う♪」
どうやら、雑誌のタイトル『クリスマスを120%楽しむには?』というのに、気になったらしい…。
ウキウキと菊丸は彼女のにそう尋ねた。
「何だろう?皆で楽しく騒いだりする事とか」
は小首を傾げて、菊丸にそう答えた。
「ん〜。それもあるんにゃけど〜さ。やっぱり、初めから最後までの手作りでやるのが良いと思うんだよね俺は♪」
楽しそうに菊丸は、に言う。
「ツーリーも手作り?」
かなりお約束的ボケをはする。
(英二君って…凄いよね〜もみの木育ってるなんて…)
しかもかなり、本気にはボケを展開している。
「〜っそれは、ちょっと無理じゃん。飾り付けとか…ケーキとか料理とかの事だよ〜」
少し口を尖らせて菊丸はに説明した。
「ああ」
“分かったよ〜”と付け足しながら、は手を軽くポムと打つ。
(は〜相変わらず、天然ボケだにゃ〜…まーそこが可愛いんだけどねん)
少しお惚けなを見て、菊丸はしみじみとそう感じる。
ちなみに…は、頭が悪いわけでも無い。
普段は頭が良い部類に入る人間である。
ま〜ぁ、普段の頭を使っている所為なのか何なのか菊丸事態も…はたまた本人も良く分かっていないだろが…大抵緊張することが無ければ、は天然ボケが急激に発移動するのである。
そんな彼女に慣れている、菊丸は何時もの事と“ボケ”も気にせずに普通に会話をするのである。
「それより、英二君。何で突然そんな事聞くの?」
は本当に不思議そうに、菊丸に尋ねる。
「んーんと。この雑誌に載っていたかからさ〜は、にゃにが必要にゃのかと思ってさ」
頬をポリポリと掻いて、菊丸は読んでいた雑誌をに見せた。
「本当だぁ〜…。何々…クリスマスを120%楽しむには…」
は感嘆の声を上げながら、雑誌をブツブツと読み始める。
菊丸はそんなを黙って微笑ましそうに見つめるのであった。
は黙々と雑誌を読み進めながら、ため息を1つついた。
「はぁ〜っ」
「にゃに?どうしたにゃ?」
雑誌を見てため息をつくに、菊丸は心配そう直ぐに尋ねた。
それには少し眉を寄せて、菊丸を見る。
(おっかしいな〜そんな顔をしかめられる内容じゃ〜にゃいのにな〜)
そんなの表情に菊丸は心底そう、思った。
「英二君〜。これ書いてること可笑しいよ」
「うへ?どの辺が…変なにゃの?」
菊丸は首を傾げて、にきく。
“んーとココ”と言いたそうに、は雑誌を示す。
そこには…。
【恋人と行く!クリスマスデートスポット&喜ばれるプレゼント特集!!】
と書かれていた。
「何々…“綺麗なイルミネーションと夜景で、素敵なクリスマスを過ごしましょう”」
何が変なの?と菊丸は不思議そうにを見る。
「だって〜ハローウィンの時も〜クリスマスも〜バレンタインの時も〜こんな事書いて有るんだよ〜。それだったら〜、何時でも言いみたいだよ〜。120%楽しむ何て、嘘ぽいよ」
不機嫌そうに雑誌を見ながら、は菊丸に言った。
「ん〜でも、一般的な恋人はこんなんばっかだから…載ってるんじゃにゃいのかな?」
「そうなんだ〜。何か、味気が無いね」
菊丸の言葉に、は納得したように呟きながら…残念そうに菊丸を見た。
「じゃ〜さ。は、どんなクリスマスが良いの?」
「取りあえず〜、英二君と一緒が良いよ」
の答えに菊丸は少し考える。
(そうだ♪先俺が言ってた…手づくりクリスマスが良いかも)
ふいに先自分で言った言葉を思い出して菊丸は、言葉にする。
「じゃ〜さ。皆と違うクリスマスを過ごすって言うのはどうかにゃ。手づくりのクリスマス♪」
その言葉には目を輝かせた。
「何か楽しそうだね。はぁ〜なんか今からドキドキしてきそうだよ〜」
菊丸の言葉に、“うんうん楽しそう”と頷きながらはそう言った。
「んじゃ、決まり。クリスマスまでに色々準備しようね」
「うん」
----クリスマス当日。
菊丸とは、雑誌に書かれていたデートスポットやごく一般的な恋人のクリスマスとは違っていた。
大きなクリスマスツリーを家族と一緒に出して、手づくりの飾り等を楽しそうに飾って準備していた。
「英二君〜ココのモール、やっぱり赤かな?それとも、気分を変えてブルーにしてみる?」
大きな袋に入っているモールを抱えて、は菊丸に尋ねる。
菊丸はムーっと悩んで、「クリスマスぽく、赤かにゃ」と赤いモールを指差す。
「じゃ〜モールは赤っと」
菊丸の返事には、ガサガサとモールを出してツリーに飾る。
「ちゃん〜、ちょっと料理手伝ってくれる?」
飾り付け中のに菊丸の姉が声をかける。
「は〜い」
モールを飾り終わった、は菊丸の姉の方へかけていく。
わたわたしい準備であったが、無事に準備が終了した。
パーティーは菊丸の手品やボードゲーム等で幕を開けた。
手づくり料理の数々、ほとんどが手づくりのクリスマスパーティー。
かなりアットホームなクリスマスパーティーがくりひろげられた。
「ねぇ〜英二君やっぱり雑誌に書いている事、真に受けなくて良かったよ」
クリスマスパーティーを始めて、は菊丸に笑顔でそう言った。
「雑誌?」
の言葉に菊丸は一瞬何の事か分からずに、疑問符を浮かべる。
が…すぐに、何のことか思い出し“ああ”と手をポンと叩く。
「そうだにゃ〜夜景とか、デートなら何時でも行けるモンにゃ」
雑誌に書いていた事を思い浮かべながら、菊丸は納得したように呟く。
「それに、こんなに家族とか大勢で楽しく過ごす機会って少ないもんね♪」
“と一緒になんて、もっと貴重だもんね♪”ニヘっと笑いながら菊丸はにそう言った。
「うん。英二君所って家族沢山だから、楽しいもん。私は一人っ子だから余計に今日のクリスマスは特別に嬉しかったんだよ〜。綺麗な夜景とかイルミネーション見るよりも…すんごく嬉しいよ」
は本当に嬉しそうに、菊丸に言う。
「そー言いってもらえると、俺もすんごく嬉しいよ」
菊丸も嬉そうに笑う。
「こういうのって、家庭的で良いよね。同じようで、同じものが何1つ無いのって何だか特別って感じがするよ〜」
菊丸の兄弟や家族を見ながら、は心底嬉しそうにそう言った。
“ほーむめいどってやつだっけ?こういうのをいうのね”と付けたして。
「英二君…今日は最高のプレゼント有難うv」
満面な笑顔では、菊丸に礼を言う。
そんなを見て、菊丸は口を開く。
「そう言ってくれると嬉しいにゃ。でも、ちゃーんとプレゼント有るからねvv」
ウインク1つして菊丸はに言う。
「英二〜、ちゃん…メインのケーキ切るわよ〜♪」
笑いあう菊丸とにふいに、声がかかる。
顔を見合わせる2人。
「「は〜い」」
2人は大きな声で返事をすると、皆の居る方へ歩き始めた。
「さっ、英二君行こう」
「そうだにゃ。早くしないと、皆にケーキ食べられるにゃ」
微笑ましくも暖かい空気の中…菊丸家のクリスマスの夜はまだ始まったばかりである。
キリストの聖誕祭
一つ一つが手づくりで…
同じものが何一つ無い
無機質じゃなくて…暖かい
何時もと変わらないようで、少しだけ特別な…
そんな気持ちになれるのは…
不器用だけど自分達用意したお陰かもしれない
Happy X`mas!!!
END
2013.2.7.(web拍手掲載:2012.12.1.改訂(2001.12.20)) From:Koumi Sunohara