小さな反乱


自然の加護を受けような色素

空色の瞳に捕まった

金色の髪に惹かれた

彼者は人々に忌み嫌われていた

あんなに、美しいのに




「お前は、変わった者だな」

「そうかしら?」

これが、何時もの挨拶。
何時もといっても、話すようになって1週間程度だけど。
彼者こと、うずまきナルトの中に封印されし、妖狐と私… の会話の始まり。
金の髪と蒼い瞳を持つ、妖狐。
ココは、夢の世界。
私は、夢の中を渡り歩く力を持っている。
だから、妖狐と話が出来る。

「本当に、変わっている」

面白い者を見る目で、見る。

(そんなに、面白いかしら?)

私は、思わず思ってしまう。

「普通は、近づいてはこないものだぞ」

“クスクス”笑う妖狐。

「そうゆう、ものなんのかしら?」

反対に聞いてやると、妖狐は目を丸くした。
私が、言った言葉に驚いたらしい。

「私、外の世界て知らないから」

噂ぐらいしか、聞かない。
私は、外の世界を本当に知らないから…。
“木葉を壊滅に追い込んだ妖狐”だとか“災いの種”とか。
でも、それって私は間違っていると思うわけで、妖狐が怖いとは思えない。
妖狐は、優しい目をしているし、宿主の心配ばかりしている。
何か、理由が無いと暴れたりしないと思うから。
妖狐は、申し訳ないという顔つきになった。

「…スマナイ… は、外に出れないのに…」

(貴方も変わらないけどね…)

思ったけど、口には出さない。
私は、木葉の里の隠し巫女。
木葉の里に居て、存在しない存在ということに、なっている。
だから、他の人間の事なんて分からない。

「気にしないで、私はちっとも不幸じゃないわ」

にっこり私は、笑った。

「ココにいれば、貴方と話す事ができるからね」

妖狐は、また驚いていた。

「貴方は、私に色々な話しをしてくれる…とっても、楽しいだよ」

本当に、楽しい。
ナルト君の話や、その友達の話等。
私には、体験できないものばかり。

「そうなのか?」

「うん、貴方の宿主の話とか楽しいわ」

「それなら、良いのだが」

安心した、顔の妖狐。
ふいに、呟く私。

「貴方の方が変わっているのよ…」

「何故だ?」

ためらいなが、私は答える。

「だってね、私を取り入れば封印を解く事が、出来るのにしないでしょ?」

隠し巫女…力だけだったら、火影をしのぐ者だから…。
分かりかねると、いった表情の妖狐に私は笑顔でこう言った。

「お互い変わり者ね」

「そうだな」

「変わり者ついでに、私は、貴方の巫女になるわ」

私は、一度言葉を句切る。

「何処に居ても、貴方を守わ…だから、勝手に死なせわしない」

コレは、私が出会った時から決めたこと。
火影の為の巫女ではなく、妖狐とナルト君の為の巫女になると。
突然の私の言葉に、妖狐は、困惑していた。

「良いのか、勝手に決めて…言霊に反応するぞ」

「ええ、私が決めたことだもの」

晴れやかに答える私。

「それに、貴方が火影になれば良い話でしょ」

悪戯ぽく、笑う私。

「私は、心を持った人間だも、私の身の振り方は私が決めるてばよ」

「それでは、ナルトではないか…」

破顔する、妖狐。

「そうだな…元々反乱分子だ…お前の反乱につき合うのも悪くないかもな」

手を差し出す妖狐の手とった。

「よろしくね、妖狐」

「後悔しても、私は知らないからな…


小さな勇気

意志があるから出来ること

踏み出す勇気

だから…
私は、君主を欺く

自分の意志で

「本当の君主は、貴方だけだから」

私の歯車が、いま回りだす…



END

2001.4.22 From:Koumi Sunohara