毒蛇とマムシの華麗なる戦い
巻き込まれた他者(2)
「茂…どづしても…私の要求に応えられないと言うの?」
目だけ笑っていない笑顔で、人物は茂と言う人物にそう言う。
(さんに…間宮…)
聞こえる声に藤代は視線を合わせ、人物の確認を果たす。
人物はこと…武蔵森きっての有名人と間宮茂。
もう一人は…間宮茂の彼女にして…マムシと称され彼氏間宮を…彼岸の彼方にぶっ飛ばす…史上最強の人物である。
黙秘権を行使している間宮をは冷ややかに、見つめる。
バシバシバシ。
ラップ音のごとく、また怪しげな音と放電が起こる。
(さん…何者…何か髪の毛とか…逆立ってるし…サイヤ人?)
かなり間抜けな事を思う藤代であった。
(緊迫してるし…さっさと撤退しよう)
そう思い行動に移そうとした藤代に悲劇が起こる。
かなりお約束的に藤代は、近場の椅子にぶつかる。
ガタン。
(げーっ…ヤバイ)
藤代は…自分の出した音に後悔する。
しかし気が付いたって遅い訳で…。
間宮とと目が合う藤代。
「はははは。元気?」
取り敢えず乾いた笑いを浮かべる藤代。
シーン。
藤代の言葉に2人の反応は無い。
その様子に藤代は益々帰りたさ全開せあった。
長い長い間が3人の間に訪れる。
(今日は…このパターン?…このまま…何食わぬ顔をして…逃げれないかな…)
沈黙の中藤代は切実にそう思った。
その時…。
この気まずい雰囲気をが破る。
「あら?藤代君だったっけ…何か用?もしかして、茂に用事かな?」
が声をかける。
ふいに声をかけられて、驚く藤代。
(逃げれない…訳ね…言い訳しても不味いよな…)
おどおどと、しながら藤代は口を開く。
「何かさ…人溜まっていたから…何かと思ってね…」
藤代は正直に答える。
「ふーん成る程ね〜。まー良いわ」
あっさりとは藤代の言葉に納得する。
「え?マジ??じゃ〜俺はこの辺で」
パァ〜ッ。
あからさまに表情を明るくさせて、藤代は回れ右をする。
ガシッ。
「は〜いスットプ」
の声と同時に藤代を掴まえる。
「…さん…帰って良いんじゃないのかな〜?」
ビクビクと体を強張らせる藤代。
「んーっ。別に良いんだけどね…ちょっと協力してもらおうと思って」
ニッコリ。
絶対零度の微笑みを浮かべては藤代に言う。
「ひぃ〜っ」
情けない声を出す藤代。
「捕まったか…」
間宮は明後日の方向を見て、静かく呟く。
「茂vv…何かおっしゃって?」
冷たい視線を間宮に送る、。
「別に…。しかし…無関係な藤代を何に使うんだ」
解らないと言いたげに、間宮は口を開く。
「ふふふふふふふ。それはv」
「「それは?」」
間宮と藤代の声が同時にハモル。
「藤代君にどちらが言ってることが有ってるか…聞くのよv」
“ 明暗でしょ”とは付け足した。
「な…何ですと〜っ」
の突拍子のない言葉に、藤代は間の抜けた声を上げた。
「…」
間宮も驚いたのか、に声をかける。
「何?不服?」
は相変わらずの笑顔で、両者に聞く。
間宮と藤代はブンブンと首を横に振る。
「なら良いのよ」
は得意そうには微笑む。
((悪魔…))
間宮と藤代は同時に心の中で毒づいた。
に悟られぬ様に。
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2001.11.9 From:koumi sunohara