考 え よ う ? |
サッカー部の一角に、不破大地セミナーは、開かれている。
ちなみに、“不破セミナー”と名付けたのは、シゲである。
生徒は、不破の幼なじみで後輩の 。
観客のシゲをはじめとする、上水サッカー部のメンバーである。
本日の講義は、『マシンガントークを考える』
。
「大兄〜、“マシンガントーク”て何ですか?」
不破講義に参加している、 が素朴な疑問をぶっけた。
不破は、少し考える。
「言葉で、表現するのは、難しいが…“毒舌が凄い”“早口で、まくしたてる”と言ったところだ」
は、唸る。
「武蔵森の三上亮氏みたいな人?」
なりの、見解を出してみる。
三上亮の面識は、 には無い。
しかし、サッカー部のキャプテンである水野が、 に“毒舌=悪い人=三上亮”と刷り込んだため、少し の認識に、語弊が有るのである。
今度は、不破が唸る。
『マシンガントーク』を上手く表現出来ずに、考察に入る。
(どう、説明すべきなのだろうか?研究対象の、人間だけに、資料が足りないからな…ブツブツ)
それを、面白そうにシゲが見ていた。
「大兄〜!ね〜、違うの?」
は、答えが知りたいのか、不破をせかす。
彼女は、この幼なじみを師と仰いでいる。
したがって、不破に分からない事は無いと思っているのである。
まー、今まで不破に、解けなかった問題がなかったのだから…。
「不破先生〜、 に“椎名”会わせてやればええやん♪百聞は一見にしかず!やろ?」
困っている不破に、助け船を出すシゲ。
「ふむ…それは、良いかもしれんな〜」
シゲの言葉に納得した、不破は頷いた。
「では、今日は直接観察しにいくぞ!」
そう言うと、不破は を引きずるように、飛葉に向けて進行して行った。
シゲは、微笑ましげに見送った。
(今日は、何をやらかすんやろな〜?、あの二人)
場所は変わって、飛葉中。
不破と は、“椎名翼”を探していた。
「そう言えば大兄〜、“椎名”さんて、どんなヒト?」
不破は、少し考える。
「サッカーは、上手い」
「成る程〜!ね〜、他には?」
は、目を輝かせる。
「良くわからん」
困った顔で、そう言う不破。
は、楽しそうに不破を見る。
「ふぇ〜、大兄でも分からないことが、有るんだ〜!!」
「当たり前だ、“謎”は、日々何処にでも転がって、おるのだからな」
「成る程、奥が深いのですね〜」
難しい顔をする、 。
「例えば、風祭等は、常に謎の多い奴の1人で…<省略>」
不破は、うんちくを語りだす。
にとっては、何時ものコトなので、ニコニコ聞いている。
「大兄は、その謎を解き明かすのですね〜」
感動している、 。
その様子を、遠巻きに見ている飛葉中の生徒達。
不破先生の、説明はヒートアップし始める。
それにつれて、ギャラリーも増えていく。
ガヤガヤ。
「しかし困った事に、謎は増してゆくばかりで、最近は困っているのだ…」
「それは、困りますよね〜」
賑やかなギャラリーの声に、気になってやってきた【本日の講義テーマ“椎名翼”】が、不破に尋ねてきた。
「不破、こんな所で何やってのさ」
ゆっくり、不破と が振り返る。
「大兄、知り合い?」
は、目をパチクリさせて、翼を見る。
コクリ。
不破の頷きを、確認した は翼を凝視する。
まるで、観察をするように。
たっぷり、2分弱。
流石の、椎名翼も苛つき始める。
何せ、 も不破も何も言わないからだ。
というわけで、“マシンガントーク”発動。
「何、僕の顔に何かついてる?それとも、僕の顔に見惚れてるの?不破の知り合いみたいだけど、初対面の人間に挨拶無しっていうのも失礼だよね。て、聞いてるの?」
不機嫌そのもの、翼。
は、ボソと呟いた。
「もしかして、椎名翼さんですか?」
「そうだけど、僕の事知らなかったわけ?」
今更の、 の科白に唖然とする翼。
「はい、名前しか。と言うことは、今のが“マシンガントーク”ですか…成る程。コレが“マシンガントーク”ですね〜、生で見れて感激です〜vvv」
興奮気味の、 。
「大兄〜、凄いです!確かに、言葉では、表現できませんよ〜」
不破に、興奮を伝える 。
「そこが、困っているのだ」
溜息混じりに、 に言う不破。
「そうですね〜」
も、一緒に考える。
「ちょっと、何んなんだよ〜お前らは」
翼の非難の声に、 は“はっ”とする。
「あらま〜、自己紹介をしてませんでした…。えっと私、と言います」
慌て、今更ながら自己紹介。
翼は、呆れて を見つめる。
(順番違うだろ…)
「大兄、“マシンガントーク”は、どんな時に有効なんでしょうか?」
翼を無視して、 は不破に尋ねる。
「自分の意見を通す時に、有効のようだ…」←本当か?
「成る程…」
カキカキ。
小さなメモ帳に、不破の見解を書き込んでゆく 。
「で、お前らココに何の用なわけ?」
少し頭痛を憶えつつ、翼は平然を装い尋ねる。
「“マシンガントークの観察”だが」
不破は、即答で答える。
翼のこめかみが、ピクリと波打つ。
「そんな、観察してどうするのさ…」
「特に意味は、無い」
またも、即答。
「じゃーさ、もう観察終わったんでしょ?」
背後に不動明王背負う、翼。
「うむ、そうなる」
コクリと頷く、不破。
「さっさと、帰ってくれる!」
ニッコリ。
疑問系ではなく、命令系の翼。
「分かった、邪魔したな」
不破は、気分を害したわけではなく、すんなりと引く。
「大兄〜、もう帰るの?」
は、もう少し居たいのか不服そうに不破を見上げる。
よっぽど、“マシンガントーク”が気に入ったらしい。
「もう少し見たいよ〜」
今度は、翼の方を見る。
「あのね…見せ物じゃないの!分かる?」
翼は、呆れながら に言い切る。
「うっ…スイマセン」
ペコリ。
翼に頭を下げる。
少しは、良心の呵責があったらしい。
「まっ、分かってくれれば良いけどね」
解放される、喜びだろうか?
晴れやかに、翼は に言う。
「では、迷惑かけたな」
そう不破は、言うと を伴って飛葉を後にしたのであった。
「今日は、本当に楽しいモノが、見れました」
満面の笑顔で、 は不破に話しかける。
「良かったな」
不破も笑顔で、そう返した。
「次回も、楽しみですv」
「うむ。」
上水への帰り道、暮れかかる空に、微笑む2人の姿。
不破セミナーは、快調に幕を閉じた。
この、師弟コンビが現れるのは?
果たして、次回の犠牲者は?
出たのか、出ないのか?
答えは、神のみぞ知る。
Fin
From:koumi sunohara
☆言い訳と言う名の後書き☆ 不破先生(医者)に引き続き、講師不破です。 (医者の方は、駄文の方に書いてます。) 不破先生の講義もしくは、考索&見解に参加した! という私の妄想により、出来た物です。 ドリームじゃないですね…。 元々、相方にメールで書いたモノを載せてみました。 今度は、誰で書こうかな?… それは、神のみぞ知る(笑)。 こんな、話につき合って頂き嬉しいかぎりです。 |